記事を書くうえで欠かせない要素のひとつとして、ペルソナの設定があります。
ペルソナとは、想定される読者の人物像のこと。Webライティングやマーケティングに携わる方なら、よく耳にする言葉だと思います。
聞いたことはあるんだけど、難しそうだから敬遠しているかも...。
分かります。僕も最初は、あまり気にせずに記事を書いてしまってました。
たしかに、聞き慣れない言葉ですし、難しそうな印象を受けますよね。
しかし、ペルソナをしっかりと設定することで、読者の興味を惹きつけ、最後まで読んでもらえる記事を書くことができます。逆にペルソナの設定が甘いと、読者に与える印象が薄くなり、読み飛ばされてしまうことが多くなってしまいます。
Webライターにとって、必ず学ばなければならないものと言えるでしょう。
そこで今回は、Webライティングにおけるペルソナについて解説していきます。初心者ライターさんやペルソナについて詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてみてください!
今回の記事でわかること
- Webライティングにおけるペルソナとは?
- ペルソナを設定する目的・メリット
- ペルソナの設定方法
- ペルソナを設定する際の注意点
Contents
Webライティングにおけるペルソナとは
Webライティングにおけるペルソナとは、最も記事を読んでほしい具体的な人物像のこと。
ペルソナを設定して記事を書くことを、ペルソナライティングと言います。
読んでほしい人物像を具体的に設定することによって、その人物が求める情報を記事に盛り込むことができます。つまり、ペルソナを設定することで、伝える情報や方向性が定まるということ。
設定したペルソナに近い読者がその記事を読めば、知りたい情報がたくさん記載されているので、興味を惹きつけることができ、最後まで読んでもらいやすいという感じです。
なるほど。逆にペルソナを設定せずに記事を書いたらどうなるの?
ペルソナを設定せずに書いた記事は、伝える情報や方向性が定まらず、情報が散漫しがちです。
興味を惹く内容が少ししか載っていなければ、最後まで読もうとは思わないですよね?知りたいところだけ読んだら、あとは読み飛ばされる可能性が高いでしょう。
Webライティングの世界では、いかに読者の興味を惹きつけ、最後まで読んでもらえるかが重要です。そのため、ペルソナライティングはWebライターに必要なスキルと言えます。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナって結局、ターゲットと同じ意味なのでは?
読んでほしい読者を想定するわけですから、たしかに似ていますよね。
しかし、ペルソナとターゲットは同じ意味ではありません。
Webライティングにおけるターゲットとは、想定される大まかな読者層のことです。一方ペルソナは、ターゲットをさらに細かく絞った人物像のこと。つまり、「ターゲット」という大きな枠の中心にいる人物が「ペルソナ」というイメージです。
例えとして、車の紹介記事を書くとします。その際の両者の違いは下記のような感じ。
・ターゲット
30代男性、会社員、既婚
・ペルソナ
33歳男性、東京都渋谷区在住、会社員、子供が二人(長男5歳、長女2歳)、年収600万円
ペルソナの方が、人物像が具体的になっているのが分かると思います。
上記のターゲットに向けて記事を書く場合、人物像がはっきりしないため、何を伝えれば興味を惹けるのかが想像しづらくないでしょうか?
一方、上記のペルソナに向けて記事を書く場合、「週末に家族で出かけやすい車」や「年収600万円ぐらいで、無理なく購入できる車」など、興味を惹きつけられそうな情報を想像しやすいと思います。
この点からWebライティングにおいては、ペルソナこそ重要視されています。
ペルソナを設定する目的
では、一体何のためにペルソナを設定するのでしょうか?
ペルソナを設定する目的は、主に二つあります。
記事をしっかりと読んでくれる読者を獲得するため
Webライティングの主な目的は、商品・サービスを紹介し、購入などの行動につなげることです。そのため、記事をしっかりと読んでもらえなくては元も子もありません。
雑誌などの記事であれば、雑誌自体にファンがついているので、雑誌のコンセプトに合わせて記事を書けば、一定の読者が読んでくれます。しかしWeb上の記事の場合、サイト自体にファンがついているというのは稀です。情報を求めて検索した人に読まれるというのが大半でしょう。
こういった読者は、サイト自体に魅力を感じている訳ではないので、「知りたい情報がたくさん載っている、自分にピッタリの記事」でなければ、しっかりと読んではくれません。
とすると、大まかなターゲットに向けた万人受けの内容よりも、情報を求めていそうな人物像を具体的に想定し、その人物の心に響くような内容にした方が、しっかりと読んでもらえる可能性が高いと考えられます。
ペルソナを設定することで、成果に繋がりやすくなるということですね!
SEO対策(検索結果の上位を狙うため)
そもそも、記事が検索結果の上位に表示されなければ、読者の目に留まることはありません。そのため、Webライティングにおいて、SEOは非常に重要です。
SEOとは、ユーザーが検索エンジン(Googleなど)を使って検索するとき、自社ページが上位に表示されやすいように、サイトの構造やページの内容に工夫を施すこと。
上位表示させるには、読者のニーズを満たしているとGoogleから評価を得る必要があります。
ペルソナライティングは、読者の人物像を想定し、その人物のニーズに応える情報を記事に盛り込んでいくため、SEO的にも効果が高いのです。ペルソナを設定することは、効果的なSEO対策だと言えるでしょう。
SEOについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェック!
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを設定することのメリットは、下記があります。
- 読者目線で考えられる
- 伝える内容が明確になり、書きやすい
- 発注先など、複数人と人物像を共有できる
それぞれくわしく解説します。
読者目線で考えられる
読者の人物像を深く掘り下げることで、その人物の境遇や状況、心境などを具体的に想像することができます。それによって、読者の抱える悩みや疑問を発見する糸口となります。
読者の抱える悩みや疑問を汲みとり、その解決策などを的確に提示できれば、読者に「自分にピッタリの記事だ」と感じてもらうことができます。
また近年では、生き方や考え方の多様化が進み、価値観や行動を把握するのが難しくなりました。そのため、細かく掘り下げるペルソナがより重要視されています。
伝える内容が明確になり、書きやすい
読者の人物像が曖昧だと、数ある情報の中から何を伝えればいいのか分かりづらいものです。
だからといって全て伝えようとすると、広く浅い内容になってしまい、読者にとって「知りたい情報が少なく、不要な情報が多い記事」となってしまう可能性が高いです。
ペルソナを設定すれば、ペルソナが求めているであろう情報を伝えればいいので、情報を取捨選択できます。そのため、内容が定まりやすく、読者にとっても明快な記事となるでしょう。
伝える内容が定まることで、内容に悩む時間を短縮できますよ!
発注先など、複数人と人物像を共有できる
複数人で仕事を行う場合、目的や目標の認識を統一することが大切です。
その認識に違いがあると、それぞれの行動にズレが生じてしまうからです。行動がバラバラだと、チームとしての力を発揮することはできません。
そこでペルソナが役に立ちます。ペルソナを設定し、メンバー間でしっかりと共有しておけば、行動が極端にズレるということはなくなるでしょう。議論などもスムーズに行えます。
チームとしての方向性の統一にも、ペルソナは役に立つんですね。
ペルソナの設定方法
ペルソナの設定方法は、下記を参考にしてみてください。
- キーワードを検索する
- 読者の検索意図を把握する
- ペルソナの項目に当てはめる
それぞれ順番に説明します。
1. キーワードを検索する
まず「読者が何を知りたいのか」を調べるために、キーワードを検索してみます。例えば、車についての記事を書くのであれば、キーワードは「車」がいいでしょう。
すると、検索窓に関連するキーワードが表示されます。下記のような感じです。
「車 保険」
「車 ローン」
「車 維持費」
「車 中古」
これらの関連キーワードは、よく車と一緒に検索されているキーワードです。つまり、多くのユーザーが車に関して求めている情報ということになります。
上位に表示されているキーワードを、しっかりチェックしておきましょう。
2. 読者の検索意図を把握する
次に、読者の検索意図を把握しておきます。
検索意図とは、読者がそのキーワードを検索した目的を指します。
例えば、「車 保険」というキーワードであれば、「車の保険について詳しく知りたい」「自分に合った、安心できる車の保険が知りたい」のような検索意図が想像できますよね?
検索意図に目を向けることで、読者の抱える悩みや疑問を具体的にイメージすることができます。
3. ペルソナの項目に当てはめる
では、実際にペルソナの項目に当てはめていきます。
ペルソナの項目は、基本的なテンプレートを用意しておいて、臨機応変に必要な項目があれば追加し、不要な項目があれば削除しましょう。
下記を参考にしてみてください。
悩みや疑問に関しては、①②で得た情報を当てはめましょう。
想像が必要な部分もありますが、すべて想像で設定してしまうのはNGです。それではペルソナとしてあまり意味がありません。そのため、既存ユーザーへのアンケートやインタビューなど、実際のデータをもとに設定するのが理想ではあります。
しかし、アンケートやインタビューは大変な作業であり、時間も掛かります。納期に間に合わないようでは元も子もないため、実際のデータに頼りすぎるのもおすすめできません。
じゃあどうやって項目に当てはめればいいの?
おすすめの方法は、実在する身近な人物を参考にすることです。家族や親戚、友人や知人など、ペルソナにふさわしそうな方であれば、誰でも構いません。
実在する身近な人物であれば、その方があなたの記事を読んだ時、「どういった内容なら興味を持ってくれそうなのか」を想像しやすいため、ペルソナとして優秀なのです。
性格や価値観、ライフスタイルなど、思い浮かぶことをなるべく具体的に当てはめましょう。
納得のいくレベルまで当てはめたら、ペルソナの完成です。お疲れ様でした!
ペルソナを設定する際の注意点
ペルソナを設定する際の注意点は、下記になります。
- 必ず一人の人物像にしぼって設定する
- 自分に都合のいいペルソナを作り出してはいけない
- ペルソナ以外の人にも読まれることを忘れない
それぞれ順番に説明します。
必ず一人の人物像にしぼって設定する
ペルソナライティングのメリットは、読者が求めている情報を的確に届けられることです。
複数の人物像をペルソナに設定した場合、情報が多くなりすぎて、ニーズに合わない情報も混じってしまうことが予想できます。それでは、ペルソナを設定する目的を果たせているとは言えません。
そのため、必ず一人の人物像にしぼって設定することが大切です。
自分に都合のいいペルソナを作り出してはいけない
ペルソナは、あくまで実在するかのような人物像です。自分に都合のいい理想像ではありません。
理想や主観をもとにペルソナを設定すると、実際に読んでくれる読者とのズレが生じます。それで記事を書いたとしても、本来の読者に響くことはないでしょう。
これはペルソナの落とし穴と言えます。便利な反面、自分の理想でペルソナを作ってしまうと、ライティングの質を半減させてしまう可能性もあるということ。
理想の人物像ではなく、現実に即した人物像を設定することが大切です。
ペルソナ以外の人にも読まれることを忘れない
ペルソナに響けばいいからと、難しい専門用語ばかり並べたり、口調が荒くなってはいけません。ペルソナに寄り添いすぎて、他を排除するような書き方も好ましくないです。
ペルソナ以外の人にも読まれることを忘れず、誰が読んでも分かりやすい文章を書きましょう。
まとめ
現実味のある人物像をペルソナに設定し、ペルソナが求めていそうな情報を網羅して書くことで、ペルソナに近い人たちにとって「自分にピッタリ記事」となります。
「自分にピッタリの記事」と判断されれば、しっかりと読んでもらうことができ、その記事でおすすめした商品・サービスが購入に繋がりやすくなるのです。また、満足度の高い記事があることで、サイトそのものへの信頼度も高くなるでしょう。
Webライティングにおいて、ペルソナがいかに重要かをお伝えできていれば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました!