Webライターの仕事は、Web上の文章を書くことです。
しかし、ただ自分の考えを書くだけでは、読者が納得できるような良い記事は書けません。良質な記事を書くためには、書くための情報を事前にしっかり調べる(リサーチ)必要があります。
そのためWebライティングは、文章作成よりもリサーチに時間をかけた方がいいと言われています。
なるほど。どれくらいリサーチすればいいんだろう?
目安として、 記事制作にかかる時間の6割〜7割は費やした方がいいと思います。
文章作成よりもリサーチに時間を費やすことで、記事質を上げることはもちろん、何を書けばいいのか悩む時間も少なくなくなり、効率よく記事を書くことができます。Webライターにとってリサーチは、非常に重要な作業と言えるでしょう。
とはいえ、リサーチの具体的なやり方を習う機会は、意外とないように感じます。
そこで今回は、 リサーチの重要性や目的、具体的なやり方をご紹介します。初心者ライターさんやリサーチについて詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてみてください!
今回の記事でわかること
- リサーチとは?その目的は?
- リサーチの具体的なやり方
- リサーチをする際のポイント
Contents
Webライティングにおけるリサーチとは
Webライティングにおけるリサーチとは、記事を書くために必要な情報を調べたり、競合のサイトを研究することを指します。
仕事を受注したら、いきなり書き始めるのではなく、まずはリサーチをしなくてはなりません。なぜなら、書くための情報が少ないと、内容が薄く正確性に欠ける記事になってしまうからです。
記事質や執筆スピードに大きく影響を及ぼすため、非常に重要な作業とされています。
Webライターの仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらをチェック!
リサーチの重要性
リサーチをしっかり行うことによって、下記の効果を期待できます。
- 必要な情報を整理できる
- 記事の説得力が増す
- 正確性がある記事を書ける
- 執筆スピードが速くなる
つまり、しっかりとしたリサーチができるライターは、質の高い記事を素早く書けるということ。リサーチ力を高めることは、ライターとしてのレベルを上げることに繋がります。
また、文字単価の高い案件は、綿密なリサーチが求められる内容が多い傾向にあります。さらなる収入アップを望むのであれば、リサーチにこだわれるライターを目指した方がいいでしょう。
ライティングが重要視されがちですが、リサーチも必要不可欠です!
リサーチの目的
続いて、なぜリサーチを行うのかを詳しく解説します。
リサーチの目的は、主に6つあります。
- 質の高い記事を書くため
- 読者の要望を把握するため
- 発注先の要望を把握するため
- 情報の信頼性を高めるため
- 独自性のある記事にするため
- 素早く記事を書くため
それぞれ順番に説明します。
質の高い記事を書くため
「リサーチしなくても、記事は書ける」と考えている方もいるかもしれません。
たしかにリサーチをせずとも、記事は書けます。 しかし、自分の考えや浅い知識だけで書いたとして、それが説得力のある記事になるでしょうか?おそらく、感想文のような記事になってしまい、質の高い記事とは言い難いと思います。
Webライターに求められるのは、事実やデータをもとにした論理的な記事です。主張の根拠となる事実やデータを集めないと、論理的な記事は書けないため、やはりリサーチは必須と言えます。
読者の要望を把握するため
読者の要望とは、記事に「求めていること」「期待していること」です。
読者が記事を読むとき、抱えている悩みや疑問を解決したいと考えています。とすれば、悩みや疑問を把握しておかないと、読者の要望に応えることはできません。
悩みや疑問を把握するためには、リサーチが必要です。それらを正確に把握し、解決できる情報を的確に提示することで、読者の要望を満たす記事を書くことができます。
読者の気持ちにしっかりと耳を傾け、理解することが大切です。
発注先の要望を把握するため
発注先の目的は、記事を通して「商品やサービスを知ってもらうこと」です。
そのため、自社の価値観や雰囲気に合った記事を書いてもらいたいと考えています。商品やサービスを紹介する記事を自由奔放に書いてしまうと、発注先の要望に応えているとは言えません。
つまり、どのように紹介してほしいのかを理解しておく必要があるということ。それを理解するためには、発注先のホームページなどから、文章の形式やどんな商品やサービスがあるのかを研究しなくてはなりません。
情報の信頼性を高めるため
間違った情報を載せてしまうと、読者が損失を被ったり、危険に晒される可能性があります。そのためライターは、信頼できる正確な情報を発信することが求められます。YMYLの分野は、特に気を付けなくてはなりません。
YMYL(Your Money Your Life)とは、Googleがお金や人生に大きく影響するものとして位置付ける分野のこと。「ニュース」「政治や法律」「金融」「健康と安全」「医療」「ショッピング」「人種・宗教」が当てはまります。
上記の分野で記事を書くときは、念入りにリサーチするようにしましょう。信頼できる情報源から情報を得たり、情報の根拠となる事実やデータを拾い集めることで、情報の信頼性を高められます。
独自性のある記事にするため
独自の視点で分析した情報などを載せることで、記事に独自性が生まれます。独自性のある記事は、他の記事にはない価値を読者に提供でき、Googleからも高く評価されます。
たとえば、その分野の専門家にインタビューを行ったり、アンケートを取って統計を出すなどの方法があります。手間のかかるリサーチではありますが、記事質を高めるには非常に効果的です。
素早く記事を書くため
執筆に時間がかかる一番の原因は、書く内容が定まっていないからです。
事前にしっかりリサーチを行い、記事の構成をあらかた決めておけば、内容に悩む時間が少なくなります。執筆がスムーズに進み、途中で調べることもほとんどなくなるため、記事作成にかかる時間を短縮できるでしょう。
すぐ書き始めようとすると、逆に時間がかかってしまうんですよね(泣)
リサーチの具体的なやり方
具体的なリサーチのやり方は、下記の手順を参考にしてみてください。
- クライアントをリサーチする
- キーワードで検索し、競合を研究する
- ペルソナを設定し、記事の構成を作る
- 記事の構成に沿って情報を集める
それぞれ順番に説明します。
1. クライアントをリサーチする
前述しましたが、発注先は自社の価値観や雰囲気に合った記事を書いてもらいたいと考えています。発注先の要望に応えるには、発注先のコンセプトに合った記事を作らなくてはいけません。
そのため、まずはクライアントの情報を把握しておくことが大切です。
クライアントのリサーチは、ホームページなどのWebサイトをチェックしましょう。
クライアントについて、下記の情報をリサーチしてみてください。
- 事業内容
- 独自の強み
- メインの顧客層
- 主要な商品・サービス
- 商品・サービスの製造過程
- 既存の記事・コンテンツ
- レビューや口コミなどのお客様の声
- 最新ニュースや実施しているキャンペーン
特に、執筆する記事に関連する商品・サービスの説明ページは、必ずチェックしましょう。特徴やベネフィットを理解しておかないと、魅力を上手く伝えることはできません。
ベネフィットとは、「利益」「恩恵」という意味です。マーケティングにおいては「商品やサービスから得られる効果や利益」を指します。
また、既存の記事をチェックすることで、記事の「大まかな方向性」「文体などの文章のスタイル」を確認することができます。関連記事があれば、内部リンクとして活用するのもいいでしょう。
基本的に執筆する記事は、既存の記事との整合性が求められます。既存の記事の内容と矛盾していたり、文体が大きく違うことがないように、しっかり確認しておきましょう。
2. キーワードで検索し、競合を研究する
続いて、Googleでキーワードを検索してみます。 1〜10位くらいまでの記事に目を通して、どんな内容のページが評価されているのかをチェックしましょう。
上位に表示されているのは、そのキーワードで検索するユーザーの要望に応えられているとGoogleに判断された記事です。 キーワードに対して、「どんな読者がどのような悩みを抱えているのか」を大まかに読み取ることができます。
この段階では、「読者像」や「悩み・疑問」のリサーチに注力します。
3. ペルソナを設定し、記事の構成を作る
前項で読み取った「読者像」や「悩み・疑問」を参考に、ペルソナを設定します。
ペルソナとは、商品やサービスを提供する具体的な顧客像のこと。 性別や年齢層だけでなく、仕事、ライフスタイル、家族構成、趣味、特技、価値観など、あらゆる属性を検討することができます。
Webライターの場合、ペルソナは「どんな人物が記事を読むのか?」「その人物はどんな悩みや疑問を抱えているのか?」を設定するのがおすすめです。
ペルソナを設定したら、ペルソナの視点で何が知りたいのかを想像してみてください。すると、何を伝えるべきなのかが見えてきませんか?おおよそ伝えるべきことは、読者が求める情報であったり、悩みや疑問を解決するための情報が当てはまると思います。
思い浮かんだことを念入りに書き出し、それらを参考に記事の構成を作りましょう。
Webライティングでいう記事の構成は、いわゆる見出し(h2やh3など)のことを指します。つまり、「どこに重きを置くのか?」「どのような順序で情報を伝えるのか?」を定めるということ。
情報を集める前に記事の構成を定めておくことで、集めるべき情報が明確になり、効率よくリサーチを行うことができます。
どんな情報をリサーチすべきなのかを明確にしておくことが大切です!
ペルソナについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをチェック!
4. 記事の構成に沿って情報を集める
記事の構成ができたら、本やWebサイト、SNS、YouTubeなどを駆使して、 情報をたくさん集めましょう。集めた情報は、箇条書きでメモしておくのがおすすめです。
体験談などの一次情報から、情報を集めた方がいいのでは...?
たしかに、手間と時間を要する一次情報は、情報としての価値が高いです。
しかし、全てを一次情報から集めていては、時間がかかり過ぎてしまいます。情報の量を集める段階では、WebサイトやSNS(二次情報や三次情報)を使った方が効率がいいのです。
気をつけなけばならないのが、情報の正確性です。信頼できる情報源からリサーチしたり、客観的なデータを集めることで、情報の正確性を高める必要があります。
つまり、二次情報や三次情報の正確性をリサーチで補い、うまく活用していくということ。こういった工夫も、Webライターには求められます。
十分に集め終えたら、記事の構成に合わせて情報を整理し、余分な情報があれば省きましょう。
ここまでの手順を終えれば、しっかりとしたリサーチができているはずです。
リサーチをする際の5つのポイント
続いて、リサーチをする際の5つのポイントをご紹介します。
下記のポイントを意識することで、情報の正確性や信頼性を高めることができます。
- 権威性の高い情報源を利用する
- 客観的な数字のある情報を重要視する
- 複数の参照元を確認する
- 過去に経験あれば、活用する
- リサーチし終えてから執筆する
それぞれ順番に説明します。
権威性の高い情報源を利用する
権威性が高い情報源とは、正確な情報が多く記載されていて、信頼度が高い情報源のこと。
上記のような信頼できる情報源から、根拠やデータを集めることで、情報の正確性を高められます。記事質やSEOの影響を考慮し、なるべく権威性の高い情報源から情報を集めましょう。
Webサイトや本で情報が見つけられない場合は、専門家へインタビューしたり、自ら実験・体験してみることも大切です。
客観的な数字のある情報を重要視する
客観的な数字などのデータがある情報は、主張を支える根拠として役に立ちます。
つまり、客観的な数字を盛り込むことで、記事に具体性を出すことができるということ。例えば、「○○だと考えられます」よりも「~~というデータがあるため、○○だと言えます」の方が納得できますよね?
具体性のある記事は、読者の理解や納得を得やすいため、Webライティングにおいては価値が高いのです。そういった情報を見つけた際は、しっかりチェックしておきましょう。
複数の参照元を確認する
一つの参照元だけから情報を集めるのは、良いリサーチとは言えません。もし、その参照元の情報が間違っていた場合、執筆する記事に誤った情報を記載してしまう可能性があります。
それを防ぐためには、複数の参照元からリサーチし、情報を総合的に判断することが大切です。なるべく多くの参照元から情報を集めるようにしましょう。
過去に経験があれば活用する
Webライティングでは、実体験などの一次情報から書いた記事は価値が高いです。なぜなら、一次情報は情報の信頼度が高く、他の記事との差別化を図れるから。
そのため、過去の経験が豊富な人は、様々なジャンルで質の高い記事を作成しやすいと言えるでしょう。執筆するジャンルで経験があれば、過去を振り返ることも効果的なリサーチです。
とはいえ、過去の経験だけで書いてしまっては、情報が偏ってしまう可能性があります。他のリサーチもしっかり行い、記事に独自性を生み出す要素として活用しましょう。
例えば僕の場合、以前は美容室に約10年間勤めていたので、美容室関連のテーマであれば、詳しく書けると思います。
リサーチし終えてから執筆する
リサーチしながら執筆するのではなく、リサーチし終えてから執筆するのがおすすめです。
調べる作業と書く作業を同時に行うと、注ぐ力が分散してしまい、それぞれの作業の質を下げてしまいかねません。記事の構成が定まっていないため、書く内容に悩む時間も増えるように感じます。
執筆前に情報を整理することで、記事の方向性が定まり、明快な記事を書くことができます。盛り込むべき情報をしっかり用意しておけば、執筆にかかる時間も短縮できるものです。
再確認程度なら問題ありませんが、リサーチし終えてから執筆するようにしましょう。
まとめ
リサーチを行う際は、上記の手順とポイントを意識してみてください。
Webライターにとって、リサーチは非常に重要な作業であり、文章作成よりもリサーチに時間をかけることで、より質の高い記事を効率よく書けるということがお伝えできていれば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました!